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一度閉鎖したブログなのですが。。。アメフトの面白さに観戦記を記すことにしました。その日のノリで応援チームを決め、チアリーダーをデレデレ眺めながら一生懸命応援する変なオヤジのブログです。


by quesaisje00

レアルマドリッド対ローマ戦評(ECL)

 友人Tからメールがあり,深夜3時に起こしてやるからチャンピオンズリーグをみようという.ちょっと飲みすぎて二日酔いの気配だったが了承.カードがレアルとローマとあって凡戦を心配したが,意外にも面白い試合だった.戦評は下をクリックしてください.



 互いに調子の上がらない2チームの対戦.開始早々ローマはプレスに出て,激しく攻め立てる.レアルはボランチの位置が高く,ボールホルダーのチェックにセンターバック(CB)がいかざるえないようなまずい守備.おまけにロベカルの位置が高すぎ,2人のセンターバックがどうしても外に引きずられてしまい中央をやすやすと破られてしまう.なんと開始3分ほどにはスルーパスから,レアルのCBの開いた隙間をデロッシが抜け出してゴール.
 その後もレアルの守備は最悪で,高すぎるラインの下げが遅く,下がりながらのディフェンスになってラインの乱れを何度も突かれる.ローマはトッティが持ったときなど要所では集中力を見せ,速い攻撃で完全に試合を支配する.21分にはトッティの絶妙なスルー(っぽいプレ-)をカッサーノが決めてゴール.
 レアルのポゼッションは6割を優に超え,常にボールをもって攻めてはいるものの,前線に動きがなく,ボールホルダーと走りこんだ一人以外は突っ立ってボールを待つウイイレサッカー.僕の見た感じではジダヌが外に開いて待っていて,ロベカルがスペースのなさから中央に上がっていくシーンが目立った.結果としてジダヌには怖さがなく,ロベカルは中央の密集地帯からショートパスで切れ込むばかりで,シュートやロングパスの余裕がない.
 後半になっても流れは変わらなかったが,全然連動していない攻撃でも2人くらいのコンビネーションで抜けていってしまうのはさすが.そうこうしているうちにラウルが前線で横に走りながらもらい,反転して則シュート.相手の足にあたってループシュートになり一点返す.何度みても信じられない流れるようなスーパープレイだった.レアルはパスのタイミングがあわなかったりちぐはぐなのだが,それでもとにかく攻めて行く.ここでセンタリングの競り合い中押したとしてレアルにPKが当たえられる.疑惑の判定だったが,これをフィーゴが決め試合が面白くなってくる.
 正直ここまではくだらない試合だったが,このあとローマが仕方なく少しは攻めてくるのに対し,レアルは勢いづいて去年の開幕時のような圧倒的な攻撃力を見せていく.それと共に連動してジダヌが中央でボールに絡むようになり,やっとロベカルのオーバーラップが外と中の両方にいけるようになる.こうなるとローマのザルディフェンスではとめることはできず,このあとはレアルの攻撃に酔いしれるばかり.ラウル,ジダヌといった選手が久しぶりに輝き,ベッカムの上がりも光っていた.試合はレアルが2点をぶちこんで,0-2からの4-2の逆転勝ち.
 久しぶりに満足の行く攻撃ができたレアルだが,守備の際の不安定さは去年以上.守備の人数が少ないのに,ディフェンダーも積極的にプレスに参加し,ボランチの一人がセンターバックのカバーをするスペイン式の守り方を行うためディフェンスラインがないも同然.この守り方では,ゴール前で壁になってボールをはじき返すいわゆるガテーロタイプのサムエルには辛い.いっそ,もっと早めにラインを下げ,ラインディフェンスを意識してコペルトゥーラ(ボールに当たっている選手の裏に常にラインがしかれるような守り方)で守ったらどうか.あと,戻ってこないロベカルのカバーのため左のCBがどうしても外にいってしまう(このあたり日本代表も似ている)のはもう仕方がないのだから,ボランチの一人はもっとアンカー的に前に出たセンターバックとしてプレーすべき.どうせ一人しか残っていないのだから,センターライン付近で妙にプレスしても意味がない.レアルのプレッシングポイントはもっと前にあることは明白なので,そこを突破されたら今度はもっとディレイ(攻撃を遅らせること)を意識すべき.
 対して,ローマの守備もあまりにもザル過ぎる.飛び込まずに人数をかけて守るのはセリエAらしいが,4-4-2で守るときにはボールの取りどころを決め,そこではプレスしてボールを奪わなくてはならない.ところがローマの守備は横パスについては完全に自由にやらせ,かつプレッシングの統一されたポイントがないためいつまでたっても攻撃に転じられず,ボール奪取位置が低い.これでは攻撃サッカーはきつい.基本としてはサイドか中央に追い込み,そこでプレスしてボールを奪うディフェンスを徹底させることだろうが,むしろローマこそスペイン式の積極的なプレスディフェンスを行ってはどうか.トッティは低い位置でのボールキープが得意ではなく,あくまでボールを持ったら早めに前を向くタイプだけに,危険はあるもののプレスディフェンスで高い位置でボールを奪い,チャンスと見るや一気に人数をかけて責めていくような攻撃が向いていると思われる.
 久しぶりに「はまった」ときのすごさを見せたが,不安は解消されたとはいえないレアル.2点とって守りに入り,トッティもあからさまに休みにいったが,守備があまりにもひどくもろさを見せたローマ.両チームとも今日は相手が相手だったから見せ場も作れたともいえ,今後もっと組織された守備のチームにも攻撃が機能するかはまだわからにない.

 以下は余談だが,ジダヌはかなり運動量が減っていて,サイドに開いて休んでいるシーンが多い.全試合スタメンは難しいのではないか.磐田のようにならなければよいが・・・.
 
by quesaisje00 | 2004-09-29 13:22 | サッカー